4. caspase-8はneuroblastomaの転移抑制に関与するがん抑制遺伝子産物である
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米原伸
キーワード
caspase-8, neuroblastoma, 転移, death receptor, インテグリン, アポトーシス
小児のneuroblastoma(神経芽細胞腫)では、caspase-8の遺伝子欠損あるいは発現抑制(その後プロモーター領域のメチル化によることが判明した)が高頻度に、そしてMycNの増幅したneuroblastomaではほぼすべてに認められることが2000年に報告され、caspase-8がヒトのがん抑制遺伝子産物である可能性が示されていた
caspase-8が存在しないと、デスレセプターを介するアポトーシスが誘導されないために、neuroblastomaが発症すると考えることが可能であった
ところが、caspase-8の欠損がneuroblastomaの転移の時期に引き起こされること、caspase-8をneuroblastomaに戻してやるとin vivoの転移能が失われることが新たに報告された
その理由として、caspase-8がインテグリン誘導アポトーシスに関与し、インテグリンを介する接着を断たれたneuroblastoma(転移にはインテグリンによる接着を絶ち切ることが必要)がアポトーシスに陥らないことが示唆されている
caspase-8ががん抑制に機能する分子機構については、まだ議論の余地があると考えられるが、caspase-8がneuroblastomaの転移を抑制することによりがん抑制遺伝子として働くことが示された